2,い じ め の 背 景
(1)子供自身の要因
・機械親和性と対人困難性
小さいころから機械を相手にして育ってきており、生の人間とつき合った経験が少ないため、他人との距離がうまく取れず付き合いが困難になっている。
友達はなかなか作れないが機械にはいたって簡単になじむので、機械を介してしか人間関係をつくることができないという子供が増えている。
例)電話やポケベル,パソコンなどを介さなければ友達と会話ができない。
・耐性欠如
嫌なこと、辛いことに耐えることができない。いじめる側についていえば、自分と異質のものを容認することができず、嫌な奴だと思うと排除せずにはいられなくなる。
・自己尊重の欲求=自尊心
自尊心が傷つくと怒りが生じ攻撃性が引き起こされる。欲求不満からくる攻撃性は方向が定まらず八つ当たり的だが、自尊心が傷ついた場合傷ついた自尊心を回復することに照準を合わせた切実な攻撃性が起こる。
- 自分より優位に立つ者によって自尊心が傷つけられた場合=妬みによる攻撃となって相手を引きずり降ろそうといういじめになる。
- 自分より劣位に立つ者によって自尊心が傷つけられた場合
=嫌悪する攻撃となって相手の中に見出されるかつての自分の惨めさを排除しようといういじめになる。
(2)家庭の要因
・家庭の教育力の低下
家庭が本来持っているべき、子供の人間としての成熟を促すという機能を必ずしも果たしておらず、子供が思春期などで不安定になったり、批判精神が旺盛になってきたりすると対応しきれなくなる。
・家庭の問題解決力の欠如
家庭内で何か問題が起こると、家族で解決しようとする前にすぐに専門家に相談しないと処理できない。
(3)社会の要因
・平等主義
人間みな平等,一致協力,多数決といった建て前が押しつけられると、横並びできない人,仲よくしたくでもできない人など集団に完全に同化し切れない人達や、個性派,少数派の人達は、異端,異質としてこらしめや排除の対象となり、いじめが生じる。
・一人遊び機器の氾濫
小さいころからテレビやファミコンなどの一人で遊べる機械に囲まれて育つ子供が多く、親もそれらを“お守り“代わりにしてしまう傾向がある。そのため、人間と接触する時間が減り、対人困難症の原因となる。
・少子化の弊害
兄弟が少ないために、兄弟喧嘩といった兄弟同士での切磋琢磨をする機会がなく、また近所にも子供があまりいないため遊び相手がおらず、人間関係をうまくつくる術を身に付けられない。また、子供の数が少ないと親は子供に対して過保護になったり、過干渉になったり、期待をかけすぎたりする。
(4)学校の要因
・教師の配慮不足
・初期対応の不適切さ
・知育・技術教育の偏重
・学校への不信
- 教師が問題を内部で解決しようとする傾向
- 子供が自分たちだけの世界を作り教師を排除する傾向
- 親が学校と教師に不信感を抱き学校にかかわらない傾向
学校にはこれらの閉鎖的状況があるため、学校のことには親が口出しできず、問題が起きたときにきちんと対話のできる関係が作りにくい。
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